sisofumiのペン回しブログ

sisofumi(しそふみ)です。ペン回しについて語ります。

自己紹介(2021年4月)

JapEn1stを観てペン回しを始め、JapEn3rdを観てペン回しをやめ、その十数年後にJapEn15thを観て再びペン回しを始めた話をします。

 

私は学生時代に一度ペン回しにハマり、その後社会人になってまたペン回し界に復帰しました。

そのときの経緯はJEBのこちらのページ

自己紹介(sisofumi) - JEB: JapEn Board

にも自己紹介文として書いたのですが、あんまり細かく書けなくてもっと詳しく書きたいなと思ったので、こちらのブログで書いていこうと思います。

せっかくペン回し界隈に復帰したのに誰とも話すきっかけが無いので、当時自分もペン回ししてたよって人とか、社会人でスピナーとして活動してるよって人とかと繋がれたらいいなーという気持ちで、まずは自分のことをまとめてみようと思いました。また、当時の雰囲気とかが知りたいっていう人がいたら読んでみてもいいかもです。長文なので時間があるときにぜひ。

尚、ペン回し界の歴史に言及している部分もありますが、あくまで私の理解であり、うろ覚えで書いてあることもあるので、間違っていることも大いにあると思います。最初に謝っておきます。

 

 

■学生時代

それでは、まず学生時代の話から始めます。

実は、始めた時期と辞めた時期ははっきりと覚えていないです。

CVで言うと、JapEn1stがきっかけでペン回しを始めて、JapEn3rdを見たあとたぶんすぐくらいにペン回しを辞めました。ペンスピナーで言うと、bonkuraさん世代を見て始め、key3さんが大活躍してた時代にハマり、kUzuさんSEVENさんとかは辞めた後に活躍されてたのでよく知らず、社会人になって初めて知り動画を見るようになりました。なので、年代で言うと2006年〜2007年くらいだと思います。

世代は91世代です。今活躍してるスピナーで言うと、Kayさんが91、Itezaさんが93みたいなので、Itezaさんより年上で、Kayさんと同い年っぽいです。自分がペン回しにハマってた頃に生まれた人たちが今学生になってハマってるって考えると、改めてペン回しがここまで続いてきたんだなーということを実感します。

 

ハマったきっかけ

よくある話ではありますが、ペン回しにハマったきっかけはJapEn1stでした。

より正確にはJapEn1stを始めとしたCVを見たことがきっかけです。当時、今のYoutubeのような大手動画サイトなどは無く、誰かがどこからか集めてきてホームページにまとめた面白い動画集、神業動画集、FLASHなどの動画を見るのが流行っていて、その中の一つにPDS1stとかのコリアンの動画があり、「技を次々に繰り出しててすげえ!」「曲に合わせて回っててカッコいい!」「俺もやってみたい!」という感じでハマっていきました。

ただ、「ペン回し」そのものを知ったきっかけはCVではなくて、小学生のときに見たTVでした。よく覚えていないのですが、ペン回し特集のようなものではなくて、未改造ペンでノーマルをするくらいのものだったと思います。それでも、「ペンって回るものなんだ!」という驚きは大きかったです。すぐに技を覚えたくなったのですが、今と違ってYoutubeTwitterは無いですし、そもそもネットには大した情報が無く、何かあったらインターネットで調べるという時代でも無かったです。ネットでペン回しと検索しても、当然ながらYoutubeチュートリアル動画は無く、JEBすらありません。スマホも無い時代で、スマホどうこうの前に小学生はケータイを持たないのが当たり前でした。そういう時代だったので、直接誰かに教えてもらうしかないのですが、教えてくれる人なんておらず、初めて一瞬動画を見ただけで技を習得するなんてことは無理でした。

中学生になって初めてCVを見た頃は、時代としては変わっていないものの、インターネットには有志達が作ったコンテンツがありました。JEBや、ayshさんの資料室(単体技とそのコツなどを書いたホームページ)などです。資料室以外にもペン回しの技を解説したホームページは幾つかあったと思いますし、CV文化ができて間もなかったので数は少ないですが、コリアンやUPSBのKAMさんの動画、PSNやJapEnなどの動画があり、ペン回しをやってみたいと思う人が始められるだけの下地が揃っていました。確か資料室には技の難易度とかもあって、難易度が低いところからちょっとずつ技を覚えていきました。

 

全盛期

ペン回しのどこが好きなのか?それの回答は人それぞれだと思いますが、当時を振り返ると、CVを見ることと、慣れた技を回すことが好きだったなと思います。単体技を学んでいって、簡単なFSを組んで、ということはやっていましたが、撮影したりCVに出たりということはしていなかったです。オフ会とかも行っていませんでした。(地方に住んでいたし、中学生なので交通費とかも無いし、というのもあります。)

今でこそJEBの層は厚いと思っていますが、当時最もペン回しが「強かった」のは間違いなくコリアンでした。使っている技自体も当時の日本からすれば難しく、技の完成度も圧倒的に高かったです。基本技の完成度は正直今見ても通用するくらいで、今のトッププレイヤーでもあそこまで基本技の完成度が高い人はほとんどいないんじゃないかと思います。2chの有志達がJapEn1stを作った経緯などはよく知らないですが、コリアン含む海外に追い付け追い越せという気持ちで作り、日本も頑張っているじゃないか!というような作品だった気がします(違ったらごめんなさい)。aaaaさんやcirさんのFSは今も好きです。

 それでも、やっぱり技術的にはコリアンの方が上でした。日本はコリアンの背中を追うところから始まり、技の滑らかさや完成度を重視する日本のスタイルの原点はコリアンにあると思っています。そんな中で見たJapEn2ndは、1stからの技術力の向上という面で衝撃的でした。技の難易度や構成、完成度が1stから格段に上がって、agutさんLostさんのFSは今見ても良いと思えるくらいです。1stの頃にはいなかった新しいメンバーもいて、ペン回しが盛り上がってきたことを実感しました。

また、その頃かその後くらいに出てきたのがkey3さんとayatoriさんでした。コリアンスタイルの欠点でもあるのですが、割と似通った構成が多い中で、key3さんはCVに出るたびに次々と目新しいコンボを高い完成度でこなして、今振り返ると日本のペン回しスタイルの礎だったと思います。当時山ほどCVに出ていたと思うのですが、残念なことに今はあまり動画が残っていないようです。ただ、全部ではないかもしれませんが、過去の動画をsoloとしてまとめている方が何人かいるようです。key3さんをJapEnでしか見たことないよって人がいたら絶対に見てほしいです。

https://www.youtube.com/watch?v=ZNqIzdW8qwI

ayatoriさんは技の切れや勢いが凄まじく、また技の習得速度が異様に速かった記憶があります。

そして、ペン回しの日本代表とも言うべきbonkuraさんの活躍も本当によく覚えています。ペン回しといえばコリアンスタイルだった頃に、1P2Hや2P2Hをやってみたり、エアスピしたり、磁石を使って回してみたり、ペンじゃないものを回してみたり等々、とにかく新しいことへチャレンジする人で、普通に片手で回すときのスタイルや構成も独自かつ目新しいものでした。key3さんと同じく動画があまり残っていないみたいですが、soloがいくつかあるようです。これも一度は絶対に見てほしいです。

https://www.youtube.com/watch?v=BFBKGQ5ScDc

社会人なってから、「bonkuraさんより〇〇さんの方が好き」とか「あんまり良いと思わない」という意見や、それに対して、何もわかってない、というような反論をたまに見かけます。両者の意見はどちらも正しいかなと思っています。最近始めた人が、今活躍しているスピナーの方が好き、というのは正直な意見だと思いますが、ペン回しの黎明期、FSという概念ができ、どんなFSが良いFSなのかがまだ分からないような頃に、新しい道筋を作ろうと活躍していたスピナーということは分かってほしいです。江戸時代に漫画みたいなものを作ってたぜ、という感じです(違うかも)。少なくとも私にとって、bonkuraさんは本当に憧れの存在でした。

 

ペン回しの環境構築などについて

ここで少し脱線しますが、当時のペン回しの撮影環境の構築とかについて話したいと思います。

上で書いた通り、スマホが無い時代で、インターネットもそれほど普及しておらず、パソコンすら家にないという家庭もあったんじゃないかと思います。スマホが無いので、気が向いたらスマホ片手に気軽に撮影というのができません。デジカメは高いのでWebカメラを使うのが有力な選択肢ですが、それでも数千円から1万円はするので、学生が気軽に買えるものではないですし、学生が自分のパソコンを持つというのは珍しかったので、大抵の場合家族で共有しているパソコンにWebカメラを繋げて撮影していたんじゃないかと思っています。ペン回しの撮影というのは今よりもハードルが高かったと思います。

あとは今との違いとして、SNSの有無があります。TwitterTikTok、LINEが無いので、自分の動画を気軽にアップして見てもらったり、スピナー同士で交流したりというのができなかったです。一応JEBはありましたが、JEBでtwitterやLINEのようなことをするのは不便で難しいと思いますし、メールや電話はありますが、知らない人といきなりメールするかといえばしないです。上手い人と一緒に練習したりアドバイス聞いたり、切磋琢磨し合うのってたぶんすごい大切で、当時それができるのはリア友のスピナーかオフ会で仲良くなった人くらいだったので、リア友がいることやオフ会に行くことはすごい重要なことでした。DaReKaさん&aaaaさん&bAKaさんやkey3さん&ayatoriさんなど、リア友同士で上手くなった人って昔は結構いたと思います。

 

ペンの話

またさらに脱線しますが、改造ペンの話をします。

今でこそ、ガチガチに改造した双頭ペンが主流になっていますが、当時は「改造ペンはペン回しではないのでは」という意見が結構多くて、G3やらくボとかを使って、ペンの形を保ったままの単頭改造ペンが主流だった気がします。弾丸を使うなんてのは当時からすると正気の沙汰ではありません。私は改造ペンだろうが何だろうが回しやすくて見栄えが良ければ良いと思うので、弾丸を使おうが何使おうが良いと思っています。

改造ペンの種類も今よりも少なく、主流はRSVP MXとコムサでした。なぜその2つが主流だったかといえば、日本が追い付け追い越せと目指していたコリアンがその2つばかり回していたからです。アメリカでKAMさんという方がRSVP MXを考案して、単発技を繋げてFSをするというスタイルをVPでやっていたのが韓国に輸入されて広まったからだと聞いています(違っていたらすみません)。ちなみに、KAMさんの動画がYoutubeに上がっています。JapEn1stよりも3年も前の動画らしく、歴史を感じます。

https://www.youtube.com/watch?v=14jNpYVmAjk

今でこそ手に入れやすいですが、当時VPやコムサを手に入れるのは難しく、レアペンの扱いだったと思います。海外でしか販売されていないペンで、今のナランハのように国内で取り扱っているお店は無く、海外のサイトで気軽にネットで注文できるような時代でもなかったので、海外へ行く、海外のお店とメールなどで直接やり取りする、海外のペンスピナーから買うか交換する、もしくはそのような手段で日本で手に入れたペンスピナーから買うか交換する、くらいしか入手方法がなかったです。

最初の頃はプレカラ2にキャップを付け足したペンとか、鉛筆にキャップつけたペンとかを回していた気がします。その内になんとかVPを手に入れて、その後はVPばっかり回していた記憶があります。そのときはJEBで購入しましたが、結局は個人でやり取りするだけなので、その間のトラブルは個人間で解決するしかありません。お金を払った後ペンが送られてこなくて、連絡するものの音信不通になるという苦い思い出もありました。

あとは、RYOさんの考案したDr.KTはそれはもう回しやすくて大流行しました。どんな技でも簡単にできるからずるいとか、重さに慣れてVPが回せなるから回したらダメだ、とか言われていた気がします。ただ、当時はVPを回せて一人前というところがあり、VPやコムサで技が成功しないと、KTで成功しても成功したとは言えない、というような風潮もありました。これは後で触れたいと思います。

 

ペン回しやめるってよ

ここからは、ペン回しをやめようという考えに至った経緯を書きます。

一つは、勉強の邪魔になるからです。子供で自制が中々効かなかったということもあり、机にペンがあるとついつい回してしまいます。技を覚える楽しさもありましたが、どちらかといえば回したときの感覚が心地よくて回していたので暇つぶしという側面が強く、これ以上続けて自分の将来のプラスになるのか、という疑問がありました。スポーツで他を圧倒するくらい強ければプロになるという選択もありますが、ペン回しはそれが無く、CVに出たとしても基本的には数百ほどのスピナーが内輪で見て楽しむだけで、その先が無いと思いました。また、趣味として考えたときにも、当時は他に昔からずっとやろうと思っていた趣味があったので、ペン回しの優先度が下がっていき、ダラダラと回すよりかはパッとやめた方が良いと考えました。

もう一つは、主にCVを見る側の意見ですが、CVのマンネリ化がありました。

要因としては、構成がマンネリ化したというものがあります。これには理由があると思っていて、当時コリアンの回していたVPやコムサはとても軽いペンで、技の完成度が高くなければそもそも技が成功せず、FSができるころには自然と習熟していきます。良いことではあるのですが、デメリットとして新しい技を習得することがとても難しいです。今では111や122、233などは大技の入り口くらいですが、当時はめちゃくちゃな大技でした。それはVPで回しているからです。何度も何度も同じ技を練習しないといけないので、技のレパートリーが増えていきません。技自体の数も当時は少なく、他の人とどこで差をつけることになるかといえば、技の完成度になるので、構成が似通ってきてしまうのは仕方がないことだと思います。同じ構成で完成度が高いなら、軽いペンの方がスピードが出るので、重いペンは避けられ、重いペンでの新しい技の開拓が進んでいかないので、結果似たような技ばかり見ることになったと考えています。

また、編集のマンネリ化もあります。JapEn1stの頃は「CV」ということ自体が新しいもので、曲に合わせてペン回しの動画を流すということが新鮮なものでした。しかし、その次の映像作品で同じことをやっても二番煎じにしかなりません。PCで動画をつなぎ合わせるだけでなく、視覚効果を工夫したり、曲と動画の合わせ方を工夫したりする必要があります。PCの編集ソフトだけを使った編集だけでなく、実写と組み合わせたりするなど、映像作品としては無限の可能性があるはずです。でも、当時実際にCVとして世に出てきた作品はJapEn1stの焼き増しの作品しか無かったと思っています。でもこれは仕方のないことで、編集をしようと思ってペン回しをやる人はいないし、ペン回しと同じように、良い作品作りのためには労力と努力が必要です。誰でも最初は先人たちの真似から入るし、二番煎じだろうとなんだろうと、JapEn1stのような編集というのは王道であり良い文化なので、似たようなものが増えるのはある意味当然だと思います。

この2つに影響するものとして、ペンスピナーの世代交代がありました。当時はペンスピナーはやめていくのが当たり前のことで、JapEn3rdの頃にはJapEn1stで活躍していたスピナーはほとんどいなかったと思います。ペン回し界隈で活躍したかどうかにかかわらず、やめていくスピナーは山ほどいました。JapEn1stのRivalという曲の歌詞はその当時のペン回し界に対してのスピナーの思いそのもので、337さんか誰なのか、選曲した人は分かりませんが、良くこんなぴったりの曲を選んだなと思います。新しい人が次々に出てきてCVで素晴らしいFSを見せてくれる一方で、次々にスピナーがやめていき、新しい人達は一から学んでいくので、上記の構成の話や編集の話と相まって、ペン回しという文化の成長が非常に遅くなると感じました。

個人的にそれにトドメを刺されたのが、当時ペン回し界を引っ張っていた、日本の代表ともいえるべき存在で、「生涯旋転」を掲げていたbonkuraさんが亡くなったことでした。そのニュースを聞いたとき、血の気が引いていき頭が真っ白になりました。

実は悪い冗談か偽情報で、CVを見たらしれっと出演しているんじゃないかとも思っていました。けれど、いくら新しいCVを見ても彼の姿はありません。ついには、JapEnにも出演することはありませんでした。ようやく彼の死を現実のものとして受け入れ始め、また、なぜこんなにも若いのに亡くならなければいけないのか、という思いでした。新しいものを次々と見せてくれる人だったので、それがもう見れないということが哀しかったし、bonkuraさんに代わる人はもう二度と表れないだろうと思いました。

そのような状態で、もしかしたらまたペン回しをやりたいという気持ちになるような作品が生まれるんじゃないか、という大きな期待の中見たJapEn3rdは、正直あまり良いと思えるものではありませんでした。JapEn3rdに出演したスピナーや編集者、3rdを見てペン回しを始めたスピナーには申し訳ないです。失礼なことを言っている自覚はあります。決して彼らの努力を否定するつもりはないです。ただ、自分にとってJapEn3rdは、1stのようなインパクトや2ndのような技術革新もあまり見られず、これからのペン回し界の発展はかなりの時間がかかるだろう、と思うような作品でした。(ただ、当時も今も、SaizenさんのFSとかはめちゃくちゃ好きです。自分が勝手に高望みしただけで、当時からすればCVもFSもクオリティ自体は高いと思っています。)

そして、改造ペンを手放し、ペンを回すことをやめ、CVを一切見なくなりました。

 

■社会人

それから十数年、ペン回しから離れていました。実際は、たまに普通のペンでノーマルしたりするくらいなら無意識のうちにやってたと思います。

時期をこれまたよく覚えていなくて、たぶん2019~2020年頃だったと思いますが、ふと「学生のときにハマったペン回しは今一体どうなっているんだろうか」という気持ちがよぎり、「ペン回し」でgoogle検索しました。結局、ペンスピナーというのはペン回しから完全に離れることはできないのだと思います。

検索して出てきたのはこちらの記事でした。

ペン回し世界王者にペン回しとペンの話を聞いてきた :: デイリーポータルZ

 

Kayさんの話

まず驚いたのは、ペン回しのプロパフォーマーがいるということです。2007年の頃はプロなんていなかったし、俺はプロになるぞ、という人もたぶんいなかったんじゃないかと思います。そもそもペン回しでプロになるなんていう発想がありませんでした。Kayさんが新しい道を作ったことは本当にすごいことだし、相当な努力をしたんだろうなと思います。どの界隈でもそうかもしれませんが、ペン回し界は陰湿なところがあるので、きっと表から裏から叩かれてきたんじゃないかと思っています。「立ってやるペン回しなんてペン回しじゃない」とかなんとか。

Kayさんはオフラインでのペン回しを主としてやっているそうですが、よく考えればペン回しってジャグリングの一種なんですよね。他の大道芸のように、練習を積んで、大道芸をよく知らない観客に対して1回限りのパフォーマンスをする。あるいはもっと気軽に、クラスの隣のやつに自慢したくてこっそり練習する。全部オフラインの話ですよね。ノーマルやソニックだけならできますっていう人って、ペン回し界隈の人口よりもはるかにたくさんいると思います。「技の完成度がいまいち」だとか、「この技からこの技のつなぎがすごい」だとか、普通の人はそんなこと考えません。CVがペン回しの主流という固定観念がありましたが、実際はそんなことなくて、オフラインこそが主流なんだと思います。

それから、YoutubeでKayさんのチャンネルがあることを知り、動画を見たり、技の解説動画を見て練習したりするようになりました。解説を動画にするというのは2007年頃には無かった文化です。解説のサイトと解説用に撮った技だけの動画とかはありましたが、画質が荒くて見辛かったり、コツが分からなかったり、スローにできなかったりなど、技を理解するのにも時間がかかっていた気がします。そのあたりを高画質でしっかり解説してくれるので、良い時代になったなと思います。

 

Menowa*さんと大技の話

その次に、ペン回しのCVや世界大会の動画などを手当たり次第に見始めました。衝撃的だったのは大技、そしてMenowa*さんのペン回しでした。

聞くところによると、Spinnerpeemさんが2009年の世界大会を大技のFS優勝したとか。この人もホンマに上手い。大技といえばVPで122だと思っていたので、コンパムとかプンカンとかもうよく分かりません。すごい。めっちゃ回ってる。2009年というのは、ペン回しをやめてから2年も経っていません。ペン回しの発展は遅いだろう、なんて思っていたのがいかに浅はかだったかが分かります。

そしてMenowa*さんのペン回し。技術的に優れているというのもそうですが、大技の滑らかさがすごい。もう語彙力が無くなります。初心者がMenowa*さんに憧れて大技の練習をする気持ちが分かります。個人で世界大会で優勝というのも本当にすごいことです。2007年も世界大会があったのですが、確かbonkuraさんがJEBで出たもののErirorさんに負けてたと記憶してます。日本人からすればbonkuraさんの勝ちだったと思いますが、世界大会で良いとされるペン回しというのはCVのペン回しとは違っていて、海外の審査員に良いと思ってもらえるペン回しをするというのは相当に難しいことだと思います。それで優勝できたというのは本当に技術力がある証拠だし、栄誉あることだと思います。

 

技と構成の話

色々な動画を見ていて、知らない技の数々や見たこともないような構成の動画がいっぱいあることに気づきました。当時は動画を見てて新しい技や構成を見ると一目で分かったのですが、今は良く分からない技を使っている動画が山のようにあるし、高画質なのに一目では何をやっているのかさっぱり理解できない動画がいっぱいあります。構成についても、2007年頃の構成とは大きく変わってきているのを感じます。構成については長くなるのでまた別の記事でまとめようと思っています。

 

素晴らしいCVたち

CVについて色々と語りましたが、やっぱり私はCVを見るのが大好きです。CVの編集についても、2007年頃からは考えられなかったような進歩があったと感じています。正直なところ編集技術については全く分からないので、具体的にどこがどう良くなったから良い、というのが言えないのですが、フィーリングで好きだなと思えるCVがいくつもありました。2008年頃~2020年頃までの動画をざっと見た中で本当に良かったと思えるCVの感想を書いてみます。

 

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良い。本当に良い。好き。昔からずっと日本のスピナーが作りたいと目指していたCVの完成形だと思います。

まず曲が良い。曲と回しが合ってますよね。そしてスピナーの並びが隙が無さすぎます。最初のItezaさんのペンを止めるトリックと曲が相まってすっと引き付けられるし、曲が静かになるところでのインフィ、サビで勢いのあるSlofisさんShadixさん、そして曲とスピナーの勢いがすべて最後のifulさんに集中する感じがします。ifulさんのFSも〆に向かって溜めて爆発させるようなFSで本当に大好き。CVのすべてがあの〆に向かって整えられている感じがします。

文字の細い感じと、ピアノ中心の繊細な曲が合っているなと思います。四季がテーマになっているのだと思うのですが、季節ごとにスピナーの背景色が変わったり、スピナーが切り替わるところの表現がスピナーごとに変わってて飽きさせないし、そのエフェクトがどれも曲とCVの雰囲気に合ってていいなと思います。

所謂昔の「CV」の形で言えば、この動画に勝るものは無い気がします。

 

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Lotusさんいったい何者なんだ。

白と黒、光と影、立体感というのがテーマなんですかね?正直良く分からないですがとにかく良いことは間違いありません。所々入る色味が良いアクセントになってる気がします。スピナー毎に枠の色とか表現が変わっているのですが、そのどれもがそのスピナーの動画の色や雰囲気に合っていてめっちゃ良いです。Goatさんのところで光があたっていたり、fukrouさんのところで机の色と枠の色を合わせてたり。ペン回しが本当に見やすいです。本当に良い編集って、編集していることを気付かせないでペン回しに集中させるというか、邪魔をしないというか。うまく言えないですが、本当に大好きです。

 

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今までにない雰囲気のCVですよね。3つの曲を使って、途中で曲が変わるというのもそうなんですが、選曲自体も独特で、変にかっこよく見せないというか、今からCVを観るんだ!というよりも、お店に入ったらTVが付いていて、そこでBGMみたいに流れてるみたいなイメージで、良い感じで力みが無い印象を受けました。自分で言っていることが良く分からないですが、かっこよく見せてないはずなのにそれが逆にめちゃくちゃかっこよくて大好きです。

最初の曲のところのBSさんがあまりにも雰囲気に合っていてすごい。横でゆらゆらとゆれている枠とかフォントとかも大きくてすごいインパクトなのに邪魔をしていなくて曲調と合っていて良い。kinさんのところでHNが後から〆の技のタイミングで出てきて、そこで曲が切り替わるところが職人芸という感じです。変なことを何もしていないのにアクセントになっている。すごい。その後の曲のMr.Wikipediaさんとmindさんも曲に合いすぎててすごい。どこからこんなぴったりの曲探してきたんだろうか。そして3曲目のポップな曲に合わせて枠の色がつき、動きも派手になっていく。HALさんの回しも〆にぴったりで良い。本当に好きなCV。

 

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そしてJapEn15th。全世界含めて、ペン回し界の動画作品の最高傑作だと思います。

ペン回しを知らない人にペン回しってこういうものだよって紹介するときは、この動画を紹介してます。

一言で言うとCVじゃなくて映像作品なんですよね。でも、ペン回しの動画って別にペン回し以外のところで実写を使ってはいけないことは無いし、もっと自由で良いはずで、作品の可能性を広げて、スピナーの視野を広げてくれた作品だと思います。

全員のFSが個性が立っていてかつ完成されているのがすごい。独特のパススタイルのTUv4さんから始まり、キレキレのMalimoさん、技術力の高い大技系のkAttsさん、構成力がすごくて軽やかに回すWabiさん、大技連打のpARuさん、尋常じゃない滑らかさのNkさん、両手で回転面を変えていくLakuさんにゆったり滑らかなOzoneさん、独自のインフィスタイルを作っているfukrouさん、変則かつガンガン切り返すDrowsyさん。KayさんOchaさんのスタンディングもサプライズ感あって好き。楽しそうに回しているochaさんとクールなKayさんの対比が良い。今までに無いような新しいスタイルのMenowa*さんも凄い。最後に出てくるのが所謂コリアンから派生してきた日本のVPスタイルのiroziroさんで本当に良い。その後のエンディングも映画を見ているような感じで好き。全員のFSの構成が本当に練られていて好きです。

何気に細かいところで気を配っていて、ペン回しに邪魔にならないように始めと終わりはHNを見せないようにしたり、Malimoさんの締めのところで少し暗くしたり、pARuさんやMenowa*さんのところでズームしたり、そのどれもがペン回しを引き立てていてすごいと思います。

これを作ったFumiyaさん本当に凄い。

 

まとめ

今振り返ると、2007年頃の時期というのは、コリアンの技術力に追いつき、日本のスタイルを模索していった時期なんだと思います。新しいことを生み出すというのはとても大変なことで、それぞれの時代のスピナー達が全力で取り組み、少しずつ少しずつ前に進んでいった結果、ペン回し界がここまで発展してきたのだと思います。また、勝手ながら嬉しいと思ったのは、7、8年やってますとか、十数年ペン回ししてます、とかって方達が何人もいることです。当時はペン回しが始まったばかりで長い間やっている人はいなかったし、やめていくのが当たり前だったので、こんなに長く続けている人がいることが本当に驚きです。また、そういった方たちのペン回しを見ると本当に深いところまで進んでいて、経験を積んでいくとここまで上達するのかと驚きがあります。

正直ペン回しがここまで進化しているとは全く思わなかったし、この十数年の歩みを見れば、ここから先も少しずつ進歩していくことは間違いないです。ペンを回すのは楽しいし、できない技ができるようになる嬉しさもあるし、CVを見るのは本当に楽しいし、ペン回しって良い趣味だなと思います。そんなこんなで、ペン回しを再び始めることにしました。

 

これからの話

始めることにしました、とは言ったものの、2020年は仕事やその他があまりに忙しく、まともに時間が取ってペンが回せるようになったのは12月頃になってからでした。社会人になると学生ほど湯水のように時間が使えないのは仕方がないことです。

長年ペン回しをやってきたベテランや、勢いがあり吸収力も高い若手には叶いませんが、それはその方たちが結果を出すまでずっと必死に努力をしてきたからで、比較をせずに、自分は自分のペースで、昨日の自分を少しでも超えられるように努力していけば良いと考えています。これはペン回しに限らず言えることだと思います。

目標としては、学生の時にできなかったCV出演を目指して頑張ろうと思っています。大人になってからでもちゃんと練習すればそれなりに上達するんだぞ、と言えるようになりたいです。とはいえ、撮影を始めてみたら、学生時代のペン回しの経験がいかに細く小さいものだったかということを痛感しているので、経験を積むのに時間がかかるかもしれません。Twitterでクソみたいな動画を上げていても温かく見守ってくれると嬉しいです。下手くそ!みたいな何も得られない批判はいらないですが、アドバイスはめちゃくちゃ欲しいので、思うことがあればリプライ・DMしてくれるととても嬉しいです。

 

こんなにも長い文を読んでくださり、ありがとうございます。

 

おわり